労働者不足が社会問題となり、人材不足で困難に陥っている会社が増えつつある。国を挙げて女性の社会参加を推進しているが、待機児童問題など未解決の問題が山積みで、思うような進展が見られない現状がある。
そんな中、多様な働き方の早期実現が求められており、積極的に取り組む企業も増えてきている。IT業界でも多様な働き方の模索が始まっている。SES契約による人材サービス業やクラウドシステムによる仕事とのマッチングサービスなどがこれに当たる。卓越したスキルを持つ人なら起業して成功を収めることも可能であろうし、会社に属したまま自宅などで作業するリモートワーク化も進んでいる。
働き方の多様化は自由さがメリットであるが、フリーランスや起業の形態では仕事を得るのも自分次第なので不安定さが否めず、さらに社会保障や福祉の面でも不安が付きまとう。働き方改革が進みフリーランスが増加すれば、新たな社会保障制度の整備が必要になる可能性もあるかもしれない。
また近年導入が進められる高度プロフェッショナル制度は、柔軟に労働時間を決められる反面、サービス残業が増えるのではないかと懸念される制度だが、その是非については意見の対立が解消されていない。当面は年収1075万円以上などの条件を付けて職業が限定されるとはいえ、今後なし崩し的に職業制限や年収制限が緩和されるリスクも指摘されており、成果主義が拡大することに懸念を持つ人は少なくない。
女性の社会参加を阻む待機児童問題をはじめとして、多様な働き方改革の推進には解決されるべき多くの問題が残っていると言えるだろう。